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2000/10/11

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2000/10/11 (水) 晴時々曇

AIRと銀色と世界と物語

AIRと銀色。もう明らかに分かれているかと思う。わしの知っている範囲だと、T2Uと銀色に同等の評価を与える人が多いような。この2つの共通点は「書き手は物語を創って世界を見せようとしているのに、読者に提供されたものは世界としては未完成な物語の断片だけであった」ことではないかと。物語の断片が、世界という完成したかたちを取れていないということ。

_ 見える断片から、見えない欠損部分を補って(独自の)世界を構築できる人。もちろん確固たるモノを補うには、断片に強烈な個性・・・力強いなんらかの特徴を見つけられなければならない。ゲームは「プレイヤーが参加することで完成する物語」である、という定義は大昔からあるが、「見えない欠損部分を補って世界を構築する」ということはゲームプレイヤーの参加形態としては非常に面白いものの一つだと思う。

_ 翻って、ONE。見えない部分はあったが、それは欠損部分でなくてブラックボックスであり、世界は無事構築されることができた。ブラックボックスは構造が解明されればブラックボックスではなくなるが、それを解明する作業は「欠損部分を補う」ものに近い。そしてKanon・AIRと進むにつれ、このブラックボックスは減っていき、また世界をつくる断片は創造者にとってのみ汎用性の高いもの、つまりカスタムパーツとして洗練されてゆく。Kanonはまず比較的小さい世界を作ってみることで物語パーツの完成度を高め世界の創造手法を確立し、それを生かしてAIRという巨大な世界を構築してみせた。

_ こうなると、もはやプレイヤーはその世界を体験するのみで、世界の構築に参加することはできない。世界は強固で物語パーツはカスタム仕様となれば、それを流用して独自の世界を作ってみることも難しい。またそんな巨大な世界を体験するには大きな労力が必要になるだろうし、その苦労の分だけ味わった世界が美味しくないと「ヲレならここをこうするのに」となってしまう人がいる。つまり、誰かによって構築された世界であっても「自己の世界」に写像できないと満足できない種の人間がいるということだ。

_ しかし、そんな「自己世界への写像」なんかしなくっても、構築された他人の世界をそのまま歩いていける人もいる。こういう人は、ある程度構築されていればどんな世界も比較的楽しむことができるが、ちゃんと構築されていなかったり、理解不能な世界は楽しむことができない。そういう楽しみ方は上の「ゲームの定義」には適合しないが、楽しめれば別にゲームでなくたっていいし、もちろんゲームの定義を否定しているわけでもない。

_ こういった人にとって楽しむことができない世界、いや世界のもとになる断片を、自分が楽しめる世界に再構築でき、またすでに構築されている世界をも自らの世界にしないと気が済まない人が、あるるんとかsugichさんとかみんさんとかいちせさんとかじゃないかなー・・・とか思うわけだ。判断基準の違いは、まずこの「自己の世界」を持つかどうかの差があって、持っているならさらにこの自己世界の差から生まれ、持っていなければ単純にその世界への満足度で生まれるものなのではないかと。

_ ちなみに、東鳩はカスタム化された物語パーツではなく、もっと使いやすい汎用な物語パーツでの世界構築に成功したことが、どっちの側の人にも楽しめる領域を用意できた勝因ではないかと考えている。ただ、汎用パーツはカスタムパーツよりずっと作るのが難しい・・・というか「何をもって汎用と位置付けるか」の設計が難しいのは、プログラムの設計をしている人なら常に頭にあることだと思う^^;。

_ ・・・しかし、こんな文章で読者に伝わるんだろうか・・・かーなーり好意的解釈がないと伝わらない気がする(汗)。





メールはこちらへ...[後藤浩昭 / Hiroaki GOTO / GORRY / gorry@hauN.org]

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