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「SmartVision Pro HD40はビデオ映像をDVD化するのに向いているでしょうか」という質問がメールで来たのだが、ここで書くと多くの人が読めるということで、こちらに。ざっくりと答えてしまうと、「向いていません」。
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SmartVision Pro HD40の「PC+キャプチャカードな構成」に対する利点は、以下のものがある。
- PCが起動していなくてもTV映像の録画ができる。
- LANで接続して好きなマシンから映像が観られる。
- DVD-R対応ドライブを持っていれば、付属のアプリ(VideoStudio5)でムービーの編集・DVD-Rのオーサリング・ライティングが可能。
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また、PCに接続するキャプチャカードとしての欠点は、以下のものがある。
- 音声にノイズが乗る。「サー」や「ジー」・「ジリジリ」などのアナログ的な音でなく、「かぽん」とか「ぺこん」という壊れたMP3ファイルのような音がノイズとして発生する。
- MPEG2で録画すると、画像のパターンによってはフレーム落ちする。MPEG1ではフレーム落ちは発生しないが、画質はVideoCD級(ビットレート的には上だが)までしか設定できないため、DVDへの保存用としてはかなり見劣りする。
- 映像と音声がシンクロしなくなることがある。だいたい1時間で最大2秒程度ずれることがある。補正には多大なる労力を必要とし、一般人にはとてもおすすめできるものではない。ちなみに、普通の人間は0.1秒ずれると確実にそれを認識できるため、このずれは大きすぎる。
- 高価。大体75k〜80k円するが、たまたま今日知ったPINNACLE STUDIO DELUXEだと30k円程度で実現できてしまう。編集用に80GBほどHDDを増設してみても、合計50k円しない。TV番組の録画もしたいなら、MTV1000が実売35k円+HDD+Ulead VideoStudioで75k〜80k円と、ほぼSmartVisionと同じ価格ながら一段上の構成を組むことができる。
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SmartVisionのもっとも適当な使い方は、「画質や音質は二の次でいいから、とにかくHDDにTV番組をMPEG1でガンガン録画しては観たい。また手早くムービーをPCへ読み出して、CD-RやDVD-Rへ保存することもやりたい」という、いわゆる「PCとのリンクがいちばん便利なハードディスクビデオレコーダー」だろう。MPEG1なら映像と音声のズレも発生せず、画質はそこそこ。30分のムービーファイル(約480MB)を2〜3分でPCに転送して加工できる。