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2010/01/27

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2010/01/27 (水) 晴時々曇

AT-X e2スクイーズ化 (AV)

_ 今日からAT-X e2がスクイーズ化。ワイドTVを持っている場合、4:3のレターボックスでなく16:9フルサイズとなる。んが、想定の範囲内でやっぱり微妙。

_ まず1番めに、縦方向解像度。AT-X HDの試験運用が始まったころからか、e2の映像はAT-X HDのダウンコンバート映像となっている。この際、映像の不自然なエッジを抑えるためにローパスフィルタをかけるのだが、この結果が実質縦300本程度となってしまっている。静止画でいえば、「720x480の映像を720x300に縮小したあと、もう一度720x480に引き伸ばした」ような画になってしまっている、ということになる*1

*1: あくまで「静止画」レベルでの話であることに注意。動画になるとまた事情は変わってくる。後述のインターレースの話もあるし。

_ AT-X HDが始まる前は、当然ならSD映像は解像度変換することなく、またローパスフィルタもかけられることなくそのまま送出されていた。ワイド映像は4:3レターボックスにダウンコンバートしていたが、これは静止画でいえば「720x360への変換」を意味する。

_ つまり、ワイド映像はHD化の前は「720x360相当の情報」として観られていたものが、e2スクイーズ化のあとは「720x300相当の情報」として観られるようになった、ということ。映像フォーマットとしてはワイドになったものの、静止画1枚あたりの情報量としては去年の今頃より減っている、ということになる。実際、ワイドの映像は今送出されているものよりも、当時のレターボックスを拡大したほうがエッジの情報がしっかりしている。

_ 続いて2番めに、横方向解像度。スクイーズ化に伴って、4:3フォーマットの映像もスクイーズ変換されて送出されることになった。両サイドに黒いピラーを付けるようになったということ。この場合でも横方向の解像度は720なので、実質の情報量としては720→540と減ってしまっている*2

*2: 余談。AT-Xがレターボックスでしか持っていない映像に対しては、現在もレターボックスで送出しているものが少なからずある。この場合、「ソースで720x360相当の情報」のものが現在のe2では「540x225相当の情報」として送出されていることになる。これはTV放送としては最もお粗末といえる部類になる。

_ 3番めに、I/P変換。AT-Xが持っているSD映像ソースの大半はインターレース映像である(RFFフラグ付きのものもあるらしい?)。インターレースというのは解像度(と時間軸)を頼りに情報の削減を行う技術なので、インターレース化された映像の解像度変換は極めて難儀なものとなる。

_ 具体的にいうと、解像度変換を行うにはまずインターレースの解除を行わなければならない。だが、インターレース化というのは非可逆な変換行為なので、それを解除するといっても基本的には不完全な形にしか戻らない。高度な自動判定を持ったとしても、解像度が犠牲になる(半分になる)か、時間軸が犠牲になる(前後のフレームの情報が混ざる)フレームが混入すると思っていい*3

*3: 片フィールドずつズームする手法は解像度はあまり犠牲にならず時間軸は保たれるが、見た目が崩れる。いわゆる「フィールドアプコン」というものになる。

_ AT-XのHD化に伴って、SD映像は「480i→1080i→480i」と2回のI/P変換を通ってe2へ送出されることになった。この結果、従来はストレートであったSD映像は、2度のI/P変換を経由して劣化したものとなってしまった。*4

*4: 前述のローパスフィルターは、インターレース解除の際に補助的に用いられることが多い。ローパスというのは乱暴に言ってしまえばぼかしの一種なので、現在のAT-X e2でSDソースの映像を観ると「2重のぼかしをかけた映像」として観ることになる。

_ 最後に、ビットレート。スクイーズ化の際にエンコーダの設定が見直されたのか、トータルビットレートがやや下げられた代わりにピークビットレートが上げられた(=GOPごとの偏差が大きくなった)模様。全体の情報量としては減るが、局所的に多くの情報を割り当てられるようになる。激しく動くところでの劣化が目立ちにくくなるが、動かないところでのモスキートはやや増えるといった具合になる。

_ まとめると、AT-X e2は「スクイーズ化により、スクイーズ化前よりは画質は向上したが、依然としてHD化前よりは低い」という感想。「画質を望みたければe2でなくスカパー!HDへ行け」ということだろうが、スカパー!HDは受信環境の手間や録画機器の問題が*5。4月のe2キッズステーションHD化や、追ってのBSアニマックス予定をみると、AT-Xの画質面の厳しさはやはりなんとも。

*5: 今住んでいるマンションにはスカパー!HDの受信設備はなく、また自分の部屋は住居全体でいうと最北部なので、ベランダにアンテナを置いてえんえんと線を引っ張る必要がある。

_ 追記。AT-X e2スクイーズ化の続き





メールはこちらへ...[後藤浩昭 / Hiroaki GOTO / GORRY / gorry@hauN.org]

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