7.4. 演奏データの記述


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いよいよ演奏データの記述です。その前に、初期化についてもう少し触れておきます。筆者は以下のパラメータについての初期化を必ずおこなうようにしています。

特にSPCでピッチベンドやエクスプレッション、モジュレーションを扱う場合は該当するパラメータの初期化は重要です。ポルタメントをさせたい場合は、そのチャンネルで最も落差の大きいポルタメントを基準にしてベンド・レンジを設定します。落差の小さいポルタメントが多い中、まれに落差の大きなポルタメントがある場合は、その前後でベンド・レンジを再設定する方法もあります。クレッシェンドやデクレッシェンド、フェードイン/アウトといったフェードコントロールを行うのには普通エクスプレッションを利用します。筆者は最大値である127に設定していますが、クレッシェンドが多い場合はそれより小さい値を設定しておくと、コントロールが楽になります(全体の音量レベルは落ちますが)。モジュレーションは初期値を0にしておく場合がほとんどでしょう。

音量に関するパラメータは、マスターボリュームを除くと、以下の3種類があります。

この中でも、ベロシティは他の2つのパラメータとは決定的に異なる点があります。それは、ベロシティによって音色が変化し得る、ということです。ベロシティといいますが、正確にはノートオン・ベロシティ(以降ONベロシティと表記します)のことを指します(ノートオフベロシティを受信して、その値を反映する楽器はあまりありません)。例えば、ピアノの鍵盤を弱くたたいた時にはソフトな音がしますが、強くたたけばハンマーがピアノ線をたたく時に発生する金属音も聞こえてきます。こういった強弱による音色の違いはほとんどONベロシティによって表現されます。それに対して、エクスプレッションはエレクトーンの足元についているボリュームペダルを想像していただければ結構です。つまり、フェードコントロールが主な役割となります。ボリュームはその名の通りボリュームつまみのようなもので、チャンネル間のバランス調整に利用します。

以上は一般的な話ですから、実際はどのように利用しても問題はありません。しかし、ベロシティ(特にONベロシティ)だけは音色が変化し得る、ということは頭に置いておいてください。


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