6.13. メタイベント命令について


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メタイベントを出力するための命令群です。

このマニュアルでは、通常MMLに使用しないであろう命令についてはコマンド名のみを紹介し、詳しい説明はしていません。

@{SEQUENCE-NUMBER:}シーケンス番号を記録します。
@{REM:}メモを記録します。
@{COPYRIGHT:}著作権表記を記録します。
@{TRACK-NAME:}トラック名を記録します。
@{TRACK-INST:}楽器名を記録します。
@{MESSAGE:}歌詞メッセージを記録します。
@{MARKER:}リハーサル・マークやセクション名などを記録します。
@{QUE-POINT:}キューポイントのメモ書きを記録します。
@Eトラックの終わりを記録します。これより後にある命令は無視されます。
T@{TEMPO:}テンポを設定します。
@{TEMPO-M:}テンポを設定します。
@{SMPTE:}演奏を開始するSMPTEオフセットを記録します。
@{BEAT:}拍子に関する情報を設定します。
@{KEY:}調に関する情報を設定します。
@{OUTPUT:}MIDファイルに直接データを出力します。
@{MIDI-PORT:}出力MIDIポートを設定します。

@{SEQUENCE-NUMBER:}

書式 @{SEQUENCE-NUMBER:シーケンス番号1,シーケンス番号2}
解説

シーケンス番号を記録します。

@{REM:}

書式 @{REM:メモ}
解説

メモを記録します。

メモ}は、メモの内容です。“""”でくくった文字列を指定します。

参照 #MEMO
#PROGRAMMER
用例 メモを記録します。
3 @{REM:"メモです。"}

@{COPYRIGHT:}

書式 @{COPYRIGHT:著作権表記}
解説

著作権表記を記録します。SMCでは“#COPYRIGHT”命令で設定するのが一般的で、こちらは使用しません。

著作権表記}は、著作権を表わす文字列です。“""”でくくった文字列を指定します。

参照 #COPYRIGHT
用例 著作権表記を記録します。
3 @{COPYRIGHT:"(C)1996 GORRY."}

@{TRACK-NAME:}

書式 @{TRACK-NAME:トラック名}
解説

トラック名を記録します。

トラック名}は、トラックの名前です。“""”でくくった文字列を指定します。

参照
用例 トラック名を記録します。
3 @{TRACK-NAME:"トラック3"}

@{TRACK-INST:}

書式 @{TRACK-INST:楽器名}
解説

楽器名を記録します。

楽器名}は、楽器の名前です。“""”でくくった文字列を指定します。

参照 #INSTRUMENT
用例 楽器名を記録します。
3 @{TRACK-INST:"ピアノ"}

@{MESSAGE:}

書式 @{MESSAGE:歌詞メッセージ}
解説

歌詞メッセージを記録します。

歌詞メッセージ}は、歌詞などです。“""”でくくった文字列を指定します。

参照
用例 歌詞メッセージを記録します。
3 @{MESSAGE:"歌詞です。"}

@{MARKER:}

書式 @{MARKER:マーカーメッセージ}
解説

セクション名などを記録します。

マーカーメッセージ}は、セクション名などです。“""”でくくった文字列を指定します。

参照
用例 マーカーメッセージを記録します。
3 @{MARKER:"[Intro][A][B]などと書いたりします。"}

@{QUE-POINT:}

書式 @{QUE-POINT:キューポイントメッセージ}
解説

キューポイントのメモ書きを記録します。

キューポイントメッセージ}は、キューポイントのメモ書きなどです。“""”でくくった文字列を指定します。

参照
用例 キューポイントメッセージを記録します。
3 @{QUE-POINT:"シーン#33。"}

@E

書式 @E
解説

トラックの終わりを記録します。これより後にある命令は無視されます。

参照
用例 トラックの終わりを記録します。
3 CDE @E FG	; CDEを演奏後終了、FGは演奏されない

T@{TEMPO:}

書式 Tテンポ@{TEMPO:テンポ}
解説

テンポを設定します。

テンポ}は、1分あたりの4分音符の拍数です。30〜1024を指定します。

この命令はトラック1にのみ置くことを推奨されています。

参照 #TEMPO
#TEMPO-M
@{TEMPO-M:}
用例 1分間150拍にします。
1 T150		; 1分間150拍
1 @{TEMPO:150}	; 1分間150拍

@{TEMPO-M:}

書式 @{TEMPO-M:テンポ}
解説

テンポを設定します。

テンポ}は、4分音符1拍あたりの時間をμ秒単位で表わしたものです。50000〜2000000程度を指定します。

この命令はトラック1にのみ置くことを推奨されています。

参照 #TEMPO
#TEMPO-M
T@{TEMPO:}
用例 4分音符1拍を0.5秒(500000μ秒)にします。
1 @{TEMPO-M:500000}	; 0.5秒(500000μ秒)

@{SMPTE:}

書式 @{SMPTE:h,m,s},{f},{ff}
解説

演奏を開始するSMPTEオフセットを記録します。

@{BEAT:}

書式 @{BEAT:拍子,メトロノームクロック数,32分音符数}}
解説

拍子に関する情報を設定します。

拍子}は、曲が何拍子であるかを示します。“4/4”・“6/8”などの形で指定します。それぞれ「4分の4拍子」・「8分の6拍子」を表わします。

メトロノームクロック数}は、メトロノームを鳴らすタイミングです。MIDIクロック数を指定します。通常は4分音符のMIDIクロック数を指定します。

32分音符数}は、4分音符内に置ける32分音符の数です。数値を指定します。通常は8以外を指定することはありません。

この命令はトラック1にのみ置くことを推奨されています。

参照 #BEAT
用例 4分の4拍子、メトロノームクロック数48mc、32分音符数8を設定します。
1 @{BEAT:4/4,48,32}	; 4分の4拍子、メトロノームクロック数
			; 48mc、32分音符数8

@{KEY:}

書式 @{KEY:調号数,調スケール}
解説

調に関する情報を設定します。

調号数}はシャープまたはフラットの数です。-7〜+7を指定します。負であればフラットの、正であればシャープの個数を表わします。

調スケール}は長調か短調かを示します。0または1を指定します。0であれば長調、1であれば短調です。

参照 #KEY
用例 へ長調(フラット1個)に設定します。
3 @{KEY:-1,0}	; へ長調

@{OUTPUT:}

書式 @{OUTPUT:出力データ}〔,出力データ…}〕}
解説

MIDファイルに直接データを出力します。使用にはSMCやMIDファイルの内部構造に十分な理解が必要です。

出力データ}は、ファイルに出力するデータです。0〜255を指定します。

参照
用例

ノート60をノートオンするデータを出力します。

3 @{OUTPUT:$90,127,60}  ; CH0ノートオン, ベロシティ127, ノート60

@{MIDI-PORT:}

書式 @{MIDI-PORT:ポート番号}
解説

2ポート以上に同時に出力できるMIDIドライバに対して、該当トラックの出力ポートを設定します。多ポート出力に対応したMIDIドライバまたはプレーヤーが必要です。

(例えば、Windows95標準のMIDIドライバなどは多ポート出力に対応していません)

ポート番号}は、出力ポートを番号で表わしたものです。0〜127を指定しますが、通常は0または1を指定します。

参照 @Z
用例

2つのMIDIポートに同時にデータを出力します。左右から同時に発声されれば、MIDIドライバ(プレーヤー)は多ポート出力に対応しています。

; 初期設定
3,4 @%0         ; クロック数表記を基本
3,4 U64         ; ONベロシティ64
3,4 U*64        ; OFFベロシティ64
3,4 @Q1         ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3,4 L48,2       ; 音長48mc, ゲート長46mc (48-2)
3 O3            ; オクターブ3
4 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 @{MIDI-PORT:0} @Z1 @0 p1   cdefg  ; MIDI-PORT0,CH1に出力
4 @{MIDI-PORT:1} @Z1 @0 p127 cdefg  ; MIDI-PORT1,CH1に出力


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