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SMCが数値入力に引けを取らない最大の特徴はSPC(Sequential Parameter Control)にあるといっても過言ではないと筆者は考えています。ただし、今のところは直線的な変化しかつけることができません(もちろん一つ一つ記述すればいかなる波形も組めますが)。今後どうなるかはわかりません。
ここでは、以下の2つについて取り上げます。
しかしながら、SPB(Sequential Parameter Block)の記述方法についてここで詳しくは述べません。
まずポルタメントですが、これはピッチベンド情報によって実現します。あらかじめベンド・レンジを設定しておくことが必要です。例えば、ベンド・レンジが4で、96mcでドから半音2つ分ポルタメントアップ(つまりレ)したい場合には以下のように記述します。
“@s 001, 0, 96,96,4096, @e”で“@B0 Sb1,256,-1 c%96”
“@s 001,-4096, 96,96, 0, @e”で“@B0 Sb1,256,-1 d%96”
前者と後者の記述には決定的な違いがあります。前者はドの音が発音され、それからレの音へポルタメントアップしているのに対して、後者は半音2つ分低い状態でレの音が発音され、それからレに戻ってくる形になっています。また、前者は最終的にはピッチベンドが+4096されたままの状態になるのに対して、後者はセンター(つまり0)になります。キーボードを弾く方は両者の違いはよくわかるかと思います。どちらを使うかは状況により異なります。まず、ピッチベンドによって音色がかなり変わってしまう場合は、音色を基準に選択します。そうでない場合は、筆者はなるべくポルタメント後にピッチベンドがセンターになるようにします(つまり後者を採用)。落差の非常に大きなポルタメントの場合は別です。
フェードアウトを実現するには、エクスプレッションを用います。
“@s 002,0, 1536,1,0, 1536,1536,-127, @e”で“Sw2,256,-1”
最初の1536mcの間は何もせず、次の1536mcの間に-127だけエクスプレッションを小さくしていきます。各チャンネルのエクスプレッションがいくつであっても、127だけ小さくなります。途中で0未満になってしまう場合は、0として扱われます。
フェードコントロールにおいて、特にフェードアウトをおこなう時の注意点(というかコツ)を一言。フェードアウトが終わった状態というのは、エクスプレッションは小さな値になっているはずです。直後に同じチャンネルでもとの音量で音をならそうと思ったらエクスプレッションをフェードアウト前の値に戻す必要があります。この時、フェードアウトした音のリリースが残っていると、その音がエクスプレッションの回復とともに、急に「聞こえる音」となります。ですから、フェードアウトの直後に同じチャンネルで音をならす場合は工夫が必要となります。たとえば、リリース・タイムを短めに設定するとか、フェードアウト中に、耳に聞こえない程度の段階でさっさとノートオフしてしまうといった方法が考えられます。どうしても気になる場合は、思い切ってチャンネルを余分に使うのも方法です(チャンネルが余っていればの話しですが)。
ところで、スケールパラメータには様々な記述方法がありますが、筆者の利用している特殊(?)な方法を2つ紹介します。
“n,1,d”(nMIDIクロックの間dを保つ)
“0,0,d”(このタイミングでdにする)
前者は同じ値を保ちたい場合で、後者は瞬間的に別の値にしたい場合です。
リファレンスマニュアルにも書かれていますが、SPCは相対変化なので、SPC有効時の実際の値を考えながらSPBを記述しないと、希望する効果が得られない場合があります。