6.11.6. SPCに関する命令について


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SPBを使用して、連続的にパラメータを制御することを、シーケンシャル・パラメータ・コントロール(SPC)と呼びます。これを設定するための命令群です。

SPCにより制御されるパラメータは、「本来そのパラメータを設定する命令」に加算されたのち出力されます(「相関する」と記述しています)。例えば、“SB”命令はピッチベンドを制御しますが、本来ピッチベンドを設定する“@B”命令の値と加算されたのち出力されます。

すべてのSPC命令には、末尾に“〔{SPB番号}〔,SPCスピード,〔{SPCディレイ}〕〕〕”というパラメータを与えることができます。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。省略時は最近のSPC命令の{SPB番号}が与えられます。0はSPCを停止するのに使います。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。省略時は最近のSPC命令の{SPCスピード}が与えられます。256が標準(1倍)となっており、1〜16384が1/256倍速〜64倍速となります。0はSPCを停止するのに使います。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。省略時は最近のSPC命令の{SPCディレイ}が与えられます。音長値を指定すると「毎ノートオンから指定音長後」にSPCが同期して開始します。-1を指定すると、当命令と同時にSPCが開始し、ノートオンに同期しません。

S指定のコントロール・チェンジをSPBで制御します。
SBピッチベンドをSPBで制御します。
SCチャンネル・プレッシャーをSPBで制御します。
SDデータ・エントリー(CCナンバー6)をSPBで制御します。
SKポリフォニック・キープレッシャーをSPBで制御します。
SMモジュレーション・デプス(CCナンバー1)をSPBで制御します。
SPパンポット(CCナンバー10)をSPBで制御します。
SVメイン・ボリューム(CCナンバー7)をSPBで制御します。
SWエクスプレッション(CCナンバー11)をSPBで制御します。

S

書式 SCCナンバー}〔,〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕〕
解説

指定のコントロール・チェンジをSPBで制御します。

CCナンバー}は、制御を行なうコントロール・チェンジの番号です。0〜127を指定します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

指定番号のコントロール・チェンジを設定する命令(“@G”・“M”・“P”・“V”・“W”など)に相関します。

参照 @G
M
P
V
W
${CONTROL-CHANGE:}
${MODULATION:}
${PANPOT:}
${VOLUME:}
${EXPRESSION:}
用例 エクスプレッション(CCナンバー11)をSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b  c1    c2       c3        c4     c5
@S1, 0, @S,0, 6,3,+32, 12,6,-32, 6,3,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2        ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 W64           ; エクスプレッション64
3 S11,1,256,48  ; CCナンバー11,
                ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SB

書式 SB〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

ピッチベンドをSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

@B”“@N”“${PITCH-BEND:}”命令と相関します。

参照 @B
@N
${PITCH-BEND:}
${RPN-PITCH-BEND-SENSITIVITY:}
${BENDER-RANGE:}
用例 ピッチベンドをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b  c1    c2         c3          c4     c5
@S1, 0, @S,0, 6,3,+1000, 12,6,-1000, 6,3,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2        ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 @B0           ; ピッチベンド0
3 SB1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SC

書式 SC〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

チャンネル・プレッシャーをSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

@C”“${CHANNEL-PRESSURE:}”命令と相関します。

参照 @C
${CHANNEL-PRESSURE:}
用例 チャンネル・プレッシャーをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b  c1    c2        c3      c4
@S1, 0, @S,0, 12,6,+32, 12,6,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2        ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 @C0           ; チャンネル・プレッシャー0
3 SC1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SD

書式 SD〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

データ・エントリー(CCナンバー6)をSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

この命令に先立って、RPNやNRPNのレジスタ番号を設定しておく必要があります。

コントロール・チェンジ6番を設定する命令(“@G”など)に相関します。

参照 @G
${CONTROL-CHANGE:}
${DATA-ENTRY:}
${RPN:}
${NRPN:}
用例 データ・エントリーをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b  c1    c2       c3        c4     c5
@S1, 0, @S,0, 6,3,+32, 12,6,-32, 6,3,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2        ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 ${RPN-RESONANCE:$40,$00}
                ; RPNレゾナンス$40
3 SD1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SK

書式 SK〔{ノート値}〕〔,〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕〕
解説

ポリフォニック・キープレッシャーをSPBで制御します。

ノート値}は、ノートの番号です。ノート値を指定します。省略時は最近の発声命令のノート値が与えられます。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

CB”“!!”命令と相関します。

参照 CB
!!
用例 ポリフォニック・キープレッシャーをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b  c1    c2        c3      c4
@S2, 0, @S,0, 12,6,+32, 12,6,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2        ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 !!60,0        ; ポリフォニック・キープレッシャー60(O4C),0
3 SK60,1,256,48 ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 !60!60!60!60  ; 60(O4C)を発声

SM

書式 SM〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

モジュレーション・デプス(CCナンバー1)をSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

M”“${MODULATION-DEPTH:}”“${MODULATION:}”命令と相関します。

参照 M
${MODULATION-DEPTH:}
${MODULATION:}
用例 モジュレーション・デプスをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b  c1    c2        c3      c4
@S2, 0, @S,0, 12,6,+64, 12,6,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2        ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 M0            ; モジュレーション・デプス0
3 SM1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SP

書式 SP〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

パンポット(CCナンバー10)をSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

P”“${PANPOT:}”命令と相関します。

参照 P
${PANPOT:}
用例 パンポットをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b   c1   c2       c3        c4     c5
@S1, 0, @S,0, 6,3,+63, 12,6,-63, 6,3,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2                ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 P64           ; パンポット64
3 SP1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SV

書式 SV〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

メイン・ボリューム(CCナンバー7)をSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

V”“${VOLUME:}”“${MAIN-VOLUME:}”命令と相関します。

参照 V
${VOLUME:}
${MAIN-VOLUME:}
用例 メイン・ボリュームをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b   c1   c2       c3        c4     c5
@S1, 0, @S,0, 6,3,+32, 12,6,-32, 6,3,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2                ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 V64           ; メイン・ボリューム64
3 SV1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声

SW

書式 SW〔{SPB番号}〕〔,〔{SPCスピード}〕〔,〔{SPCディレイ}〕〕〕
解説

エクスプレッション(CCナンバー11)をSPBで制御します。

SPB番号}は、制御に使用するSPBの番号です。0または定義したSPBの番号を指定します。

SPCスピード}は、SPCの速度です。0または1〜256〜16384を指定します。

SPCディレイ}は、ノートオンにSPCを同期させるための値です。-1または音長値を指定します。

W”“${EXPRESSION:}”命令と相関します。

参照 W
${EXPRESSION:}
用例 エクスプレッションをSPBで制御します。
; SPBの定義
; a  b   c1   c2       c3        c4     c5
@S1, 0, @S,0, 6,3,+32, 12,6,-32, 6,3,0, @L
; 初期設定
3 @%0           ; クロック数表記を基本
3 U64           ; ONベロシティ64
3 U*64          ; OFFベロシティ64
3 @Q1           ; ゲート長は音長からゲートを引いたもの
3 L192,2                ; 音長192mc, ゲート長190mc (192-2)
3 O4            ; オクターブ4
; 発声
3 W64           ; パンポット64
3 SW1,256,48    ; SPB番号1, SPCスピード256, SPCディレイ48
3 CCCC          ; Cを発声


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